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すぎなの郷の第三者評価の結果(2回目)

すぎなの郷の第三者評価の結果(2回目)
 
 

評価実施年月

平成287月~平成293

公表年月

2017(平成29)年3

対象サービス

障害分野 生活介護・施設入所支援

法人名

社会福祉法人きずな会

対象事業所

すぎなの郷

住所

243-0125 厚木市小野2136番地

TELFAX

TEL046-247-0311

ホームページ

http://www.sugina.or.jp/

 

総合評価

総合評価
 
<施設の概要>
 すぎなの郷は、小田急線本厚木駅からバスで15分ほど、愛名入口バス停から徒歩2分の自然に囲まれた大変閑静な所にある。ソニーの創業者井深大氏が創設した障害者支援施設を母体とし、平成16年4月にすぎな会愛育寮から分離する形で開設した障害者支援施設で、すぎな会愛育寮と同じ敷地内において、定員80名(短期入所6名含む)で運営している。  社会福祉法人すぎな会は、「すぎなのごとく、根気よく、たくましく」を法人理念とし、厚木市で二つの障害者支援施設とデイセンター、10ヶ所のグループホームを運営している。利用者一人ひとりの持てる力が最大限発揮されるように、支援してほしいことを快適に受けられるように、施設の暮らしにあってもその人らしい生活が送れるように、加齢や身体的状況にかかわらず自分の将来を前向きにとらえるよう支援に努めている。
 
優れている点
  1. 一人ひとりに配慮した個別支援
    マニュアルに基づき個別支援計画が作成され、職員は食事・入浴・排泄・健康管理・日中活動等について、利用者一人ひとりに適切な支援を、視点を共有して行えるようにしている。また、体調の変化が頻繁に起きたり感染症を発症するなど、個別支援計画だけでは対応できない事も増えている事を捉え、支援に特に配慮が必要な利用者には、「いつどのようにすればよいか」など細かい手順が書かれた「○○さん対応」という個別の支援書を作成し、支援員間で口頭伝達による漏れがないようにしている。担当支援員が関係支援職員に配付、また居室の目立たない場所に貼るなどして、リスク管理と共に行き届いた支援を工夫している。
     
  2. 人権への取り組みと自己評価
    法人として設置する人権委員会が50項目からなる「人権チェックリスト」を作成し、職員全員で自己点検を行い人権意識の周知を図っている。自己点検の結果を施設別に集計して分析し、法人全体の施設運営における人権の確保に努めている。また、倫理綱領と職員行動規範を明記したカード(クレド)を作り、日常場面ですぐ確認できるよう全職員が携帯している。支援内容に関して施設として独自に200項目からなる「支援技術チェックリスト」を作成し、各支援員が支援について自己点検を行い、振り返りを通じて支援の向上を図っている。
     
  3. 「ハッピーデー」の取り組み
    長年に渡り実践している日中活動を、自由活動と創作活動に分けて取り組み、利用者の意欲につなげている。さらに、利用者の高齢化など個別の状況に応じた活動と支援を提供するために、毎週水曜日を、作業を中心とした日中活動にかえて「ハッピーデー」と定め、全利用者を1階・2階東・2階西・3階東・3階西の5グループに分け、職員と利用者が話し合い、「流しそうめん」「夜の喫茶」などの余暇につながる活動をしている。また、衣類の片付けや仲間の誕生日のお祝い、買い物などこれまでの日中活動ではとらえることができなかった個別の支援を工夫している。
 
改善を要する点
  1. 清掃等のチェック表の工夫、「支援技術チェックリスト」の組織的な仕組みと活用
    支援が適切に行われているか、多種のチェック表を用いている。特に利用者の安心・安全については、健康状況のチェック、防災安全チェック等の書式を作り実施している。しかし、危急の事態につながらない清掃等については、業務手順書などはあるものの、支援員個人や支援グループにチェック方法などが任されており、チェック表などを用いずに実施している状況が見受けられる。また、支援技術について200以上の項目による「支援技術チェックリスト」による自己点検はしているが、いつ自己評価を行いその結果をどのように支援向上に活かすか、そこまでは明確になっていない。担当者や支援員が変わっても、支援の水準を保ち向上させる組織的な仕組みが望まれる。
 

評価領域ごとの特記事項

評価領域ごとの特記事項
 
人権の尊重
  • 人権擁護に関する意識を高め維持する為に、法人として人権委員会を設置し取り組んでいる。人権委員会にはすぎなの郷から支援員等4名が委員として参加し、2ヶ月ごとに人権擁護啓発のための標語を定めポスターで掲示するなど、職員の意識向上に取り組んでいる。
     
  • 人権委員会として「人権チェックリスト」による自己点検を年2回行い、日々の支援に追われる中でおろそかにならないよう人権意識の周知と向上を図っている。また、倫理綱領と職員行動規範を明記したカード(クレド)を作り、日常場面ですぐ確認できるよう全職員が携帯している。
     
  • 人権の尊重について「経営理念」「行動指針」「職員倫理綱領」「職員行動規範」「人権侵害防止規程」に明記している。特に「人権侵害防止規程」では、暴力や精神的苦痛を与えるような言動、身体拘束や性的ハラスメントの禁止に加え、人権侵害防止の責任者、目撃した場合の届出義務、違反行為が判明した時の処分などを明記し、法人として組織的な取り組みを図っている。
 
意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供
  • 個別支援計画の作成にあたっては、ケース担当支援員が利用者の面談を行うほか、日常の支援場面でADL及び社会適応能力の把握を行い、「モニタリング報告書」及び「アセスメント表」を作成している。それらを基に、利用者本人、家族、必要に応じて成年後見人、及びサービス管理責任者、ケース担当支援員、フロアー担当支援員との検討を経て、個別支援計画書を作成している。
     
  • 作業を中心とした日中活動は、長年にわたって実践し継続してきた取り組みで、利用者にとって生活の核と・ネっている。作業時間は月・火・木・金曜日の10時~15時30分で、「自由活動」と「創作活動」があり、利用者の希望により選択できる。「自由活動」では、利用者のニーズに合わせた趣味的活動と、体を動かす散歩や畑の活動等を取り入れている。「創作活動」では、ボランティアの協力での機織りや地域で販売する作品等を制作している。本人の意欲を引き出し、より積極的に生活を送れるように支援をしている。
     
  • 利用者の高齢化など個別の状況に応じた活動を提供するために、毎週水曜日を「ハッピーデー」として作業中心の日中活動を休止する日を設定している。「流しそうめん」や「夜の喫茶」などの余暇プログラムを、企画や準備にも利用者が参加するなど工夫し、多くの利用者が楽しむ事ができている。実施後はアンケートで振返りを行い、さらに多くの利用者が参加できるよう、またもっとゆっくり楽しめるようにするなど、更なる工夫を図っている。
 
サービスマネジメントシステムの確立
  • 業務マニュアル・手順書は各階の支援員室に置き、いつでも見て確認できるようになっている。中でも徹底する事柄はプリントし支援員に個別に配付したり、居室や浴室に置いたり掲示するなど支援の一貫性を図っている。さらにリスクマネジメントシステムを構築し、利用者のリスク管理を徹底している。
     
  • 利用者の身体状況に応じた支援ができるように設備や器具を整備している。浴室は、座位を保てる機械浴槽や入浴用車椅子で入浴できる機械浴槽等を導入している。車椅子使用者も増えているが、個人所有の物の他に、車椅子や歩行器の貸し出しも行っている。いずれも協力病院の理学療法士等のアドバイスを受け、利用者の状況に合ったものを選び、職員の点検、業者による整備のもと使用している。
     
  • 感染症予防等については、マニュアルに基づき、衛生健康委員会を中心に提案され、全職員で取り組んでいる。居室・浴室・トイレ等の清潔や消毒については日常的に取り組み、感染症の発症と蔓延を防いでいる。嘔吐処理や手洗い等について、看護師が内部研修として職員に講習している。また、季節性のある感染症として、ノロウイルス・インフルエンザなどの流行期前に予防についての資料を用意したり、利用者にも分かりやすい啓発ポスターを掲示している。
     
  • 苦情解決システムについては、担当の職員による受付・解決体制を整え、迅速な解決を図っている。また、第三者委員から施設運営についての意見を聞いている。利用者の意見や相談については、日常場面において支援員が話をよく聴くよう心がけている。また、オンブズマンを導入し、定期的に相談会を設けて利用者の声を聴いている。オンブズマン協力員の職員を通して、施設で解決すべき相談に対応している。
 
地域との交流・連携
  • 地域の自治会に施設として加入し、施設長が町内会長と連絡を取り、情報交換をしている。地域の運動会、納涼祭等に利用者が参加したり、盆踊りの練習や防災訓練に職員が参加し交流や連携を深めている。毎年すぎな祭や納涼祭に地域住民を積極的に招待し、多くの人が参加している。
     
  • 施設を開放し、4階ホールを地域住民や自治会が会議などに使用している。法人が主催する研修会は、自治会や地域の障害者施設などにも参加を呼びかけ、福祉や施設の理解につなげている。また、災害時に地域の障害者の受け入れ施設となっているが、100人3日分の食糧等の備蓄を130人5日分に増やし、一般被災者を含めた配慮など整備を図っている。
     
  • ボランティアは、受け入れ担当者が決まっており、すぎな祭・納涼祭等の行事も含め法人のホームページで随時募集し、施設の支援・理解につなげている。利用者の日中活動等の決まった曜日に来所し、長期に渡り活動しているボランティアもいる。
 
運営上の透明性の確保と継続性
  • 法人として人権委員会を設置し、法人4施設で50項目からなる「人権チェックリスト」による自己点検を職員全員で行い、人権意識の周知を図っている。自己点検結果を集計し施設別に分析し、法人全体の施設運営における人権の確保に努めている。
     
  • 施設独自に作成した「支援技術チェックリスト」により、200項目以上の視点を捉え、支援について自己点検を行っている。以前は自己点検結果を基に施設長や課長と支援員との面談を実施行していたが、現在は行われていない。自己点検をさらに活かす為にも、支援員との面談及び実施時期を明確にするなどの改善、また利用者や家族への開示等の工夫が望まれる。
     
  • 法人のホームページに、前回の福祉サービス第三者評価の報告内容を載した事業報告書を載せていたが、現在は前年の事業報告書の掲載にとどまり確認することができない。また、法人としての「人権チェックリスト」による自己点検や、施設独自の「支援技術チェックリスト」による自己点検を実施しているにもかかわらず、その結果を、理事会や家族の会に報告、また、ホームページや広報誌などで一般に公開するには至っていない。
 
職員の資質向上の促進
  • 新任研修には力を入れ、入職時に2日間の新任研修、入職半年後に振り返り研修を行っている。施設の理念・倫理綱領・行動規範については、職員全体に対し内部研修や職員会議で周知徹底を図り、継続的にサービスの質の向上に努めている。
     
  • 法人の研修は研修委員会を中心に企画されている。他に職員の職位や経験に応じて県社会福祉協議会、知的障害者関係団体等が主催する外部研修を組み合わせて研修計画を作成し参加を促している。また、施設で定めた外部研修だけでなく、資質向上につながる民間の研修などに自主的に参加する事も認め、研修費を補助する仕組みがある。
     
  • 食支援プロジェクト、支援介護技術プロジェクト、余暇楽しみプロジェクトの3つのプロジェクトチームがあり、それぞれ取り組んでいる内容に関する研修に参加し研鑽を深めている。また、チームが支援技術の勉強会などを企画し、職員全体に対してサービスの資質向上に努めている。医療・安全については「嘔吐処理について」「救急救命について」等の内部研修会を全職員対象に看護師が開き、知識と技術の向上に努めている。
 

評価結果詳細

評価結果詳細
 
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