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デイセンターつくしの第三者評価の結果

デイセンターつくしの第三者評価の結果
 
評価実施年月 平成29年7月~平成30年3月
公表年月 平成30年3月 ~
対象サービス 障害分野 生活介護
法人名 社会福祉法人すぎな会
対象事業所 デイセンターつくし
所在地 〒243-0125 厚木市小野2136
ホームページ http://www.sugina.or.jp/
 

総合評価

総合評価
 
(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)
 
<施設の概要>
デイセンターつくしは、小田急線愛甲石田駅からバスで15分程度の、周囲を自然に囲まれた大変閑静な所にある。社会福祉法人すぎな会が平成21年に立ち上げた、定員60名の生活介護事業所である。法人が運営する二つの障害者入所施設に隣接している。また、徒歩で通える所に10ケ所の生活ホーム(グループホーム)があり、ホームの利用者も施設に通っている。平成28年3月時点の利用者数は67名で、43名は生活ホームの利用者で24名は地域の在宅からの利用者である。ホームから通っている利用者の平均年齢は61.4歳、自宅からの利用者は31.0歳である。法人の経営理念に、「人間としての尊厳を重んじる姿勢を貫き通すこと、利用者それぞれのライフステージのケアを目指すこと」を掲げている。平成29年度施設の重点目標に利用者の高齢化・重度化に向けて、利用者のライフスタイルに合った支援に努めることをうたっている。
 
<事業所の特徴、努力・優れている点など>
  • ライフステージに合った支援が利用者の安心感と笑顔につながっている。
    生活ホームから通所している利用者の高齢化がすすんでいる。70歳以上が7名でそのうち2名は80歳代である。隣接する同じ法人の入所施設から地域に生活の場を移した方が多い。施設職員と生活ホームの職員が連携し、情報共有に努め利用者の健康管理に努めている。日中作業も高齢化が進む中で均一の作業形態が難しくなっている。本人が興味のある作業に取り組めるように、アセスメントで支援ニーズを把握し個別支援計画に反映している。体力の衰えで作業を休みがちだった利用者が作業時間を調整したことで安心し、毎日作業に取り組むようになった事例がある。職員は高齢化による利用者の不安感に寄り添っている。一人ひとりのライフステージに合った支援が利用者の笑顔につながっている。

     

  • 職員は人権意識を徹底し、利用者の人権に配慮した支援に努めている。
    年に2回、「すぎな会人権チェックリスト自己点検表」を活用し、全職員が人権意識を見直す機会にしている。チェックリストは50項目からなり、職員は「もし自分がその場にいたら」という意識で自身の行動を振り返るようにしている。職員倫理綱領に利用者一人ひとりの人格を尊重することを明記し「職員行動規範」を定め、カードに明記し常時携帯し職員の人権意識の徹底を図っている。また、「人権侵害防止規定」等人権擁護に関する規定集を全職員に配布し周知徹底を図っている。内部研修で「デイセンターつくし人権擁護に対する取り組み」と題するグループワークを実施し利用者支援の現場における人権意識の強化を図っている。また、2ヶ月ごとに人権標語を作成し、施設内各所に掲示し注意を喚起している。

     

  • 利用者の希望や得意とすること、障害特性に配慮し多彩な日中活動を推進している。
    日中活動は比較的作業能力の高いさくらグループと障害特性に配慮を要するけやきグループに分かれている。さくらグループは、DVDケースクリーニング、バインダー組み立て、ウェス作成等の外注作業と紙漉きカレンダー作り、藍染等の工芸作業、喫茶ハウス、パン作り、ハイキングコースの清掃などの作業を行っている。喫茶ハウスはコーヒー、紅茶など一杯50円で一日80人程度が利用している。けやきグループは、自閉的傾向の利用者が多い。散歩やドライブ、個別活動等の余暇活動を中心に、生活支援と合わせて支援している。一日の作業予定をカードに示すことで安心して作業に取り組んでいる。女性の活動スペースは台所があり生活空間に近い設定で、部屋飾りの置物など利用者の創意の作品にあふれている。

     

  • 利用者・家族のニーズを尊重し個別支援計画を策定している。
    アセスメントシートに活動内容の選択や活動計画、戸外活動への参加、成果の自己評価等16項目のチェック項目を明記し、それぞれ5段階評価を行いサービス支援のニーズを把握し個別支援計画に反映している。年3回、個別支援計画の内容を利用者・家族に説明し同意を得ている。年に2回個別支援計画の課題に沿ってモニタリングを実施し、課題別に支援内容と成果、見直しの必要性及び次の課題を明確にしている。また、日々の支援が個別支援計画の課題に沿ったものであることをケース記録に記入し、PCに入力し職員間の情報共有を図っている。年度末に個別支援計画の成果について、利用者・家族と面談し、1年間を振り返り活動の成果に満足しているかを確認している。

 

<工夫をしている点>

  • チームワークによる日中作業が利用者の満足感と笑顔につながっている。障害による利用者の作業能力に合った日中作業を継続的に確保することは課題である。Tシャツなどを解体し機械類の汚れを落とすウェスの作成は、鋏を使う作業であり全体を通してできる利用者は特定の1名のみに限られていた。ウェスは継続的に受注が見込めるが、作業量の拡大は望める状況ではなかった。そこでウェス作業を9の工程に分割し利用者にそれぞれの工程をトライしてもらい、得意とする作業を担当してもらうことにした。全行程が流れ作業で進むようになり、希望する17名の利用者がチームを組みウェス作業を担当することになった。今まで自分にはできないと諦めていた利用者がみんなで協力すればできるという意識が芽生え、表情が生き生きとしてきた。

 

<事業者が課題と考えていること等、改善を要する点>

  • 日中活動の成果を通して地域住民の障害者福祉の理解を深める取り組みが期待される。施設内で利用者が作成している工芸品や創造活動の作品には目を奪われるほどに素晴らしいものがあるが、地域において住民が参加する教室等への利用者の参加は必ずしも十分とは言えない状況である。ガラス教室、藍染教室、休日の喫茶ハウス及び施設外の各種イベント等で、今後は利用者の積極的な参加を支援することで、地域住民の障害者福祉への理解が一層深まることが期待される。
 

評価領域ごとの特記事項

評価領域ごとの特記事項
 
1 人権の尊重
  • 職員倫理綱領に利用者一人ひとりの人格を尊重すること等を明記し、その実践に向けた「職員行動規範」を定め、カードに明記し常時携帯し職員の人権意識の徹底を図っている。また、「人権侵害防止規定」等人権擁護に関する規定集を全職員に配布し周知徹底を図っている。
 
  • 年に2回、「すぎな会人権チェックリスト自己点検表」を活用し、全職員が人権意識を見直す機会にしている。チェックリストは50項目からなり、職員は「もし自分がその場にいたら」という意識で自身の行動を振り返り注意を喚起している。
 
  • 呼称についての「くん、ちゃん呼び」等はない。不適切な言動や態度があった時は職員相互に注意しあうようにしている。
 
  • 人権委員会が中心となり2ヶ月ごとに人権標語を作成し、施設内各所に掲示し注意を喚起している。29年度9月、10月の人権標語は、「忘れちゃいけない多様性」「無視しちゃいけない人間性」である。
 
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供
  • アセスメントシートに活動内容や戸外活動への参加等16項目のチェック項目を明記し、それぞれ5段階評価を行いサービス支援のニーズを把握し個別支援計画に反映している。個別支援計画の内容や計画に沿った支援が実践されていることを年3回利用者・家族に説明し同意を得ている。
 
  • 年に2回個別支援計画の課題に沿ってモニタリングを実施している。目標項目別に支援内容と成果、見直しの必要性及び課題を明確にし、個別支援計画の見直しに反映している。支援計画書の最終報告の際、一人ひとりに面接し、個別支援計画の成果について評価し、また、利用者の希望や要望を確認している。
 
  • 福祉用具を活用する利用者はほとんどいないが、高齢に伴う下肢筋力低下がある利用者は杖を使用しており、ゴムのすり減り具合を職員が確認している。長時間の作業で姿勢保持が困難な高齢者に対しては、作業椅子の上に体圧分散型クッションを使用し、へこみ具合を職員が確認している。てんかん発作を起こす利用者は、家族が購入したヘッドギアを使用したり、より重度な利用者はヘルメットを着用したりしている。
 
3 サービスマネジメントシステムの確立
  • 苦情受付担当者、苦情解決責任者、苦情解決委員の名前と苦情解決の一連の流れ等を網羅した資料を作成し、1年に1回家族に配布している。苦情受付ポスト(みんなの声)を食堂等施設内各所に設置している。また、オンブズマン(Aネット)が月1回来所し、希望者の相談(予約制)を行っている。
 
  • 昨年ノロウイルス患者がでたこともあり感染症の予防に力を入れている。「感染症・食中毒予防対策について」「ノロウイルス感染予防対策について」を作成し感染症予防に関する職員意識の徹底を図っている。インフルエンザ予防接種を秋に実施している。また、職員は自らが感染媒体となることを認識し、こまめな手洗いやうがい、マスク・手袋を着用し感染予防に努めている。
 
  • 「危機管理マニュアル」「緊急対応ポスター」に関係機関及び体制等について記載し、119番に連絡する際又は救急車到着時に協力病院を伝えている。「危機管理マニュアル」「緊急対応ポスター」「自衛消防組織」を整備し緊急時に備えるとともに関係機関との連携について明記している。
 
  • 法人内に防災委員会を設置、法人全体で委員を構成し「すぎな会消防計画」をもとに、年2回火災と大地震を想定した避難訓練を行っている。委員会において、内容の周知と改善点の確認を行っている。また、全施設・事業所に防災対策マニュアルを配備している。消防署や関係行政機関等との情報交換、相互連携の体制を構築している。避難誘導訓練には防災関連なども参加している。消防署との連携により自動火災報知機を使用し訓練を行っている。
 
4 地域との交流・連携
  • 施設の行事への地域住民の参加促進については、すぎな会全体の行事である納涼祭やすぎな祭に地域の方々を広く招待し、ボランティアの方にも多く参加してもらい交流を図っている。職員も地域の盆踊りへも積極的に参加している。
 
  • 周辺地域の5つの自治会に加盟している。域内の諸施設(自治会・商店街・消防団)との情報交換については、自治会に加入し、地域の草刈り、神社の祭りの準備などに参加している。また、今年度から子供の下校時の見守り隊にも参加している。
 
  • 地域住民の福祉活動のための施設開放は、年1回地域の方々の希望によりガラス教室、藍染教室、休日の喫茶ハウスの開店等を行っている。在宅者(養護学校生を中心)に夏休みを利用して通所体験を実施している。また、地域住民に向けた福祉の理解を図るため研修会等の開催について、今年度ドキュメンタリー映画『うまれる』の上映会を行った。
 
  • 周囲地域での被害発生時に施設機能に応じた地域支援の体制については、在宅障害者を受け入れる協定を厚木市と締結している。
 
 
5 運営上の透明性の確保と継続性
  • 行動指針に「利用者、地域とのコミュニケーションを図るとともに、積極的な情報開示、情報提供に努め、説明責任を果たします」と明記している。ホームページに法人の経営理念、行動指針、施設の年度ごとの業務運営方針を掲載し、また、施設の業務内容、利用者の活動状況等を開示し施設の透明性に努めている。
 
  • クレームに発展しないよう、利用者とはコミュニケーションの時間を設け、家族とは連絡帳でのやりとり、送迎時のやりとりを丁寧に行い利用者・家族の要望や不満の把握に努めている。
 
  • 年2回(7月と2月)に「人権チェックリスト・自己評価表」に基づいた自己評価を実施している。職員は「もし自分がその場にいたら」という意識で自身の行動を振り返り注意を喚起している。人権チェックリストの自己評価の結果を集計し、理事が参加する総務会に報告している。
 
6 職員の資質向上の促進
  • 行動指針に「利用者の尊厳や個別性に配慮したサービス提供を実現するため、専門知識の習得や、ケア技術向上等に取り組みます」、「職員に対する各種教育・研修の実施等によって、人材の育成に努め、キャリア形成や能力開発を行います」と明記し職員の資質向上に力を入れている。
 
  • 研修規定を整備し、階層別研修、職種別研修及び課題別研修の実施を定めている。研修委員会を立ち上げ、年度ごとに研修計画を策定し、職員の資質向上に努めている。平成29年度研修計画を策定している。研修計画に新任職員研修、階層別研修、管理職研修等内部、外部研修計画、研修名及び参加予定者を明記している。
 
  • デイサービスは身体介護を伴うことが少ない生活及び作業の場であることから、実習生は本部の入所施設で受入れ、オリエンテーション時等に見学をしてもらう程度としている。
 

評価結果詳細

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