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伊勢原こばと保育所の第三者評価の結果

伊勢原こばと保育所の第三者評価の結果
 
評価実施年月 令和元年4月~令和元年9月
公表年月 令和元年10月
対象サービス 保育所
経営主体(法人等) 特定非営利活動法人伊勢原こばと会
対象事業所 伊勢原こばと保育所
住所 〒259 - 1144 伊勢原市池端502
TEL・FAX TEL:0463-93-4414 FAX:0463-26-3044
 

総合評価

総合評価
 
優れている点・独自に取り組んでいる点
保育園の概要

伊勢原こばと保育所は、小田急小田原線伊勢原駅から徒歩12分の住宅地にある。無認可保育園として1976(昭和51)年に保護者との「共同保育所」として開設、その後現在の場所に移り2003(平成15)年に認可され、園舎の増改築を経て現在に至っている。保育が行われている平屋の建物では、日常的に異年齢の子ども同士が触れ合う保育を実践し、また、産休明け保育、延長保育を通じて、父母が安心して働ける保育施設をめざしている。定員は70名で、調査実施時点での内訳は0歳児が5名、1歳児11名、2歳児13名、3歳13名、4歳児15名、5歳児15名で、16名の保育士も含め25名の職員により運営されている。保育目標に「モットー“太陽と土と人間とのふれあいの中で”」を掲げ保育者と大勢の友達の輪の中で子ども一人ひとりの成長が輝いたものであるよう保育を目指している。
 
優れている点・独自に取り組んでいる点

 
 
1.理念に沿った保育
保育理念の下、「太陽と土と人間とのふれあいの中で」をモットーに掲げ、乳幼児期の子育てが人間としての土台を培う大事な時期と位置付け、各種計画やカリキュラムに反映させ、保育を行っている。特に、散歩で草花や虫など自然に触れたり、田畑を借り、田植えをしてのお米の収穫や、トマト、キュウリなど各種の野菜を育てている。また、足の裏を使い、踏ん張る力や脚の力を鍛え発達を促すために雑巾掛けを週2回実施している。保育の様子について、子どもの姿に加え、保育士の対応やその時の子どもの反応も記録し、子ども一人ひとりの保育に活かしている。
 
2.日常的に行われている異年齢児保育
異年齢の子どもとの触れ合いは設立当時から「合同保育」と称して大切に捉え日常的に実施している。建物はランチルーム兼ホールを中心に各クラスが配置され遊びなどを通じて自由に関わりを持てる造りとなっている。昼食時は全年齢の子どもが一緒にランチルーム兼ホールで食事をしている。日常的な異年齢児との関わりを通じて、相手との違いを認め仲間を大切にする気持ちが、自然に育まれている。
 
3.「クッキング」を通じた食への取り組み
「クッキング」を、毎月1回全児童が参加して実施している。田畑で子ども達が育てたトマトやキュウリ、トウモロコシなどの野菜、とれたての筍など旬の食材を使ったり、ハンバークをこねたり、野菜などをちぎったり切る、皮を剥ぐなど、年齢に応じて参加する事柄を工夫している。また、開始前に紙芝居等を用いて、食事の大切さや水分摂取、休息の大切さについて知る取組みを行っている。最終的には調理士が調理し給食として提供しているが、自分が関わった食材を食すことも含め、子どもの自然な笑顔が出るプログラムとなっている。
 
4.地域との良好な関係性
伊勢原市に産休明け保育や延長保育を実施する保育園が無いことから、1976(昭和51)年に地域の声を捉え開園して以降、現在まで長年の活動の積み重ねがある。現在利用している子どもの保護者が卒園生であるなど歴史がある。地域のJAが運営するお店で、子ども用のお買い物券を使った買い物ごっこで、子どもが実際に野菜を選んで買うなどのやりとりを楽しんでいる。
 
改善を求められる点

 
 
1.サービスの改善への取り組み
「保育内容チェックリスト」を用いて年1、2回クラス単位で自己評価を実施し、取りまとめは主任が行っている。自己評価内容の活用は、施設長が職員会会議で全体評価として報告している。しかし、自己評価の結果をサービスの改善に反映させた具体的な事例は確認できなかった。自己評価を実施する目的と実施方法、評価結果を具体的なサービス改善に活かすなど、その活用について工夫が期待される。
 
2.意見・苦情への対応
クラス懇談会で保護者が意見を言う時間を毎回取り、意見・要望の把握に努めている。また、よせられた苦情に関して保護者面談を実施し対応している。しかし、個別に保護者の意見や思いを聴取する場面が少なく、日常的な保護者とのやりとりの中から意見や要望、苦情を捉え、それを活かし対応する工夫が期待される。また、第三者委員との定期的な話し合いが行われていない。第三者の視点をサービス向上に活かす工夫が期待される。
 
3.施設機能に応じた地域支援体制
長年の活動の積み重ねの中で地域と良好な関係を築いてきており、地域の子育て家庭に対し、随時園庭を開放し、また支援事業として「親子で一緒に遊ぼう会」を年複数回実施している。しかし、具体的な相談に応じた実績が少なく、子育てに対する不安感などの声を捉え対応する工夫が期待される。また、災害発生時に、専門職として保育士や栄養士が配置されている施設の特徴を活かした地域支援体制が未整備であり、対応が期待される。
 

評価領域ごとの特記事項

評価領域ごとの特記事項
 
人権の尊重
  • 子どもや保護者への接し方について、「伊勢原こばと会職員倫理規程」等で定め、職員会会議、施設内研修で周知している。声掛けについても「〇〇さん」と言うことを徹底している。外国籍の子ども受け入れは一昨年まであり、差別しないことを職員会会議で確認を行った。虐待防止については、「要保護児童対策地域協議会」へ参加し、児童相談所と連携するなど協力体制を構築している。
  • 個人情報保護について、「個人情報保護規定、方針」で定め、職員会会議で周知している。また、「個人情報保護に関する方針(プライバシーポリシー)」を施設内に掲示している。園だより等で子ども一人ひとりの様子を伝えているが、入所説明会など最初に保護者へ説明と同意を得て行うなど配慮している。
  • 実習生やボランティア、見学者の受け入れは、施設長か主任が対応している。実習生については、「保育実習生受け入れにあたって」に定め説明を行っている。また、見学者は事前の連絡を受けて常時対応している。
 
意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供
  • 家庭との連絡や情報交換について、0~3歳児は、複写式になっている連絡ノートで行っている。4,5歳児の連絡ノートは、子どもの数が増えた事による保育士の業務負担を考慮し、苦渋の思いで数年前に廃止し、お迎え時等に個別に保護者と口頭で情報を交換するなど工夫している。
  • ホワイトボードを各クラスに設置し、当日のクラスの様子など日々更新し、送り迎え時の保護者とのコミュニケ-ションを工夫している。
  • 各クラスで年2回開催しているクラス懇談会では懇談の時間を大切にしている。また、個別面談は、苦情が寄せられた場合など必要に応じて実施している。
  • 保護者からの意見や要望に対しては、「意見・要望受付書」を作成し、施設長と主任が対応策を作成し回答している。また、「意見箱」を設置しているが、活用された実績はない。
 
サービスマネジメントシステムの確立
  • 苦情については、受付から解決までの手順を「利用者の意見・要望等の相談解決実施規程」で定め玄関ロビーに掲示している。第三者委員は2名定め、連絡先も含めて「ご意見・ご要望の解決のための仕組みについて」に定め玄関ロビーに掲示している。しかし、第三者委員との話し合いが行われておらず、年1回以上サービス
    改善についての意見交換が期待される。
  • 「健康管理及び保健活動について」に沿って日に3回室温、湿度を計測し、室温24℃を基準に快適な室内環境を整えている。
  • 薬や危険物の取扱いについて「健康管理及び保健活動について」に、施錠した場所や子どもの手が届かない所に置くなど明記され、毎月チェックリストで管理している。
  • おもちゃ、タオル、遊具の消毒や安全確認は「健康管理及び保健活動について」で定め、おもちゃ等の消毒は、洗えるもの、洗えないもの、ぬいぐるみ、布類で分け、週1回の頻度を基準に水洗いか湯拭き、日光消毒を行っている。また、遊具の修繕は保護者の支援で実施している。
  • 預薬や服薬管理を「くすりの取り扱いについて(保護者の方へ)」及び「健康管理及び保健活動について」で1回分のみ預かることなど定めている。その都度預かった薬を「服薬のお願い」で記録、実施状況を連絡ノートで保護者に報告している。しかし、保護者から預かった後の園内での管理方法や対処方法を明文化した書面が無く整備が期待される。
  • 体調管理は各子どもの平熱を算出し行なっている。また、感染症等の発生状況については、各クラスのホワイトボードに記載し保護者に伝えている。また、国や市からの情報は職員室前に掲示し、注意喚起を行っている。しかし、保護者への情報提供の方法を定めた書面は無く、情報提供の記録とともに工夫が期待される。
  • 緊急時の連絡指示・避難等について「防災訓練計画」「消防計画」に沿って毎月想定内容を変更しながら避難訓練を行っている。しかし災害発生時に施設機能に応じた地域支援体制については定めていない。災害発生時の地域支援体制について定めるとともに地域との連絡・連携について訓練等を通じての努力が期待される。
 
地域との交流・連携
  • 地域の子育て家庭に向けた地域育児センター事業として、「親子で一緒に遊ぼう会」を年7回行っている。毎回10家族位が参加し、通常のクラスに入り実施している。また、保育園に入れず困っていること、食事のことなどの随時相談を受けている。さらに、地域の子育て家庭に対し、継続的な相談が実施できる体制整備と工夫が期待される。
  • 地域の子育て家庭に対し、曜日や時間帯で園が空いている時に随時園庭を開放している。「こばと夏まつり」や「こばとまつり」は、新聞折り込みで地域に広報を行い、地域に参加を呼びかけ実施している。また、絵本の貸し出しも行なっている。
  • 幼稚園、保育園、小学校、中学校、高校、教育委員会などで構成され年4回行われている「地域教育機関等連絡協議会」に参加し連携している。また、卒園後の小学校入学などを踏まえ、保育要録を送付することで連携している。
 
運営上の透明性の確保と継続性
  • 年1,2回クラス単位で自己評価を実施し、全体評価結果を施設長が職員会会議で報告している。しかし、自己評価の結果をサービスの改善に結びつけた実績がなく、改善に活かす努力が期待される。
  • 保育過程を掲示し、また、パンフレットやホームページで保育所の運営、事業内容について公開している。しかし、担当者不在でホームページが更新されていない。ホームページを活用し、最新の保育状況に加え、ヒヤリハットや事故、保護者から寄せられた意見や対応状況、財務状況などの情報発信が期待される。
  • 保育参観について常時受け入れしており、事前連絡があればいつでも可能となであることを入所時に保護者に対して説明している。また年7回地域の子育て家庭に対して実施している「親子で一緒に遊ぼう会」は、在園児の保護者も参加可能で、保育参加のような位置付けにもなっている。
 
職員の資質向上の促進
  • 「入所のしおり」「保育の内容に関する全体的な計画」で保育理念や方針を明文化し、新年度研修を含め年数回会議等を通じて職員に周知している。
  • 年間研修計画を作成し、計画に沿って研修を実施している。外部研修の報告は「職員会会議」で報告を行っている。「研修報告書」のファイルはいつでも閲覧できるように、書庫で保管されている。
  • 施設長が担当となるなど、実習生受入のためのマニュアル「保育実習生受け入れにあたって」を整備し対応している。年間20人程度を受け入れるなど、後進育成に力を入れている。
 

評価結果詳細

評価結果詳細
 
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