会からのご報告
令和3年1月26日、かつて当会に所属しておりました元社会福祉士が成年後見人として管理していた財産に対する業務上横領の容疑により逮捕されました。権利擁護を担う福祉専門職である社会福祉士の地位にあった者がこのような行為に至ったことは許されるものではなく、被後見人の権利・利益を害し、成年後見人及び成年後見制度への信頼を著しく傷つけたことは、遺憾の極みであります。
本会では、成年後見人として活動する会員に対し、成年後見人としての活動等に関する定期報告を義務付け、それに基づく助言・指導を行っておりますところ、当該元社会福祉士は、当会に所属しておりました平成28年9月、定期報告書の提出を怠り、連絡が取れなくなりましたことから、本会において調査・確認した結果、同年10月、成年後見活動を遅滞させたまま行方不明となっていることが判明しました。本会は、被後見人の不利益と被害の拡大を防止するため、直ちに家庭裁判所に連絡し、同月31日、本会自身が法人として成年後見人に選任され、被害に遭われた被後見人の支援にあたることになりました。その後、当会において事実関係の調査を進め、平成29年3月、神奈川県警察本部に告訴し、捜査がなされた結果、今回の逮捕に至りました。なお、当該元社会福祉士は既に社会福祉士の地位になく、当会を退会しています。
今般の逮捕は、本会の会員に対する内部監督が機能した結果であり、本会としては、成年後見人として被害者である被後見人の支援と被害回復にあたっているところであります。引き続き本会全会員に対し倫理綱領の遵守を求め、適正な成年後見業務の遂行を求めるとともに、成年後見制度に関わる支援者及び機関と密に連携して、成年後見人による違法・不正な行為の防止により一層努めてまいる所存です。
令和3年1月28日
公益社団法人神奈川県社会福祉士会