◇特長
・障がいのある子どもに寄り添った保育
障がいのある子どもが、集団保育の場にいることが難しい場合には、事務所や廊下で過ごしても良いことにし、子どもの気持ちと個性に寄り添った対応をしている。そのうちに「クラスに帰りたい」と言うようになり、他の園児と同じ空間にいる方が安心する様子がある。また、他の子どもたちも、その様子を日常的に受け止めている。
・工夫された書式による記録とアセスメント
「保育日誌」の子ども一人ひとりの記録をもとに、食育、健康、人間関係や表現など、年齢に応じた項目立てからなる年齢毎の「経過記録」により、1歳児は2ヶ月ごと、2歳児は3ヶ月ごと、3歳児以上は1年を4期に分けてアセスメントを行い、めざす子どもの姿と援助内容、家庭との連携を設定している。
・保育を継続しての全面改修
園舎の全面改修にあたり、「園舎全面改修ニュース」を定期的に発行して改修工事などの様子を保護者に伝え、敷地内の仮園舎で保育を継続しながらの工事に理解を仰ぐ取り組みを行なった。その結果、保護者の理解のもと、日々の保育を休むことなく改修工事を終えることができ、仮園舎からの引っ越しにも保護者が積極的に協力する様子があった。
・保育士業務の負担軽減への工夫
午後の保育士配置にゆとりが生じる状況を活用し、順番に保育士が保育業務から事務業務に移行する「事務の時間」を設けている。保育士は「事務の時間」に週案作成、行事の準備や「クラスだより」の作成などを行い、就業時間内に業務が終わるよう工夫している。
・法人の部会などを通じた運営の工夫
法人傘下の5保育園の担当者による、0歳児部会以下年齢毎の6部会、それ以外に保健衛生、障碍児(注)、事務員の3部会、また主任、給食、事務局の3会議、それ以外にHP管理運営委員会が年数回開催されている。各々の部会などの運営は担当者が工夫し、5園全体の仕組みを考えたり、研修を企画するなど、法人全体の情報の共有や研修を通じた資質の向上を図ると同時に、園毎の工夫を互いに活用する仕組みがある。
◇今後期待される点
・園が持つ子育てノウハウの地域への還元
市の子育て支援事業として、プール解放やどろんこ遊び、運動会ごっこや育児講座など実施している。園独自には、近所の親子が通りかかった時に「一緒に遊んで行きませんか」と呼びかけるくらいで、継続的な活動には至っていない。保護者に対して行っている絵本の貸し出しやレシピの提供などの対象を広げたり、保育士の持つノウハウを子育て相談として地域に還元するなどの工夫が期待される。