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永耕園の第三者評価の結果

永耕園の第三者評価の結果
 
評価実施年月 平成27年4月~平成28年3月
公表年月 平成28年 4月
対象サービス 障害分野 施設入所支援他
法人名 社会福祉法人永耕会
対象事業所 永耕園
所在地 〒250-0203 小田原市曽我岸148
ホームページ http://eikou-kai.or.jp/
 

総合評価 (優れている点、独自に取り組んでいる点、改善すべき事項等)

総合評価 (優れている点、独自に取り組んでいる点、改善すべき事項等)
 
<施設の概要>
 永耕園は、JR御殿場線下曽我駅から徒歩5分程度の閑静な地にある。昭和38年4月に、社会福祉法人永耕会が知的障害者入所更生施設として開設し、52年が経過している。現在、施設入所事業(定員100名)、生活介護事業(定員100名)、短期入所事業(定員8名)、日中一時支援事業(定員4名)を運営している。平成27年4月1日現在、23歳から93歳まで平均年齢52.9歳の男女合わせて85名が入所している。平均在籍年数は22.2年で障害支援区分5と6の重度障害者が全体の75%である。  施設の理念に、「利用者の基本的人権を保障する支援」「一人一人にあった個別的支援」「自分で選び自分で決める本人主体の支援」「地域社会の中で暮らすための支援」を掲げ施設運営の柱にしている。職員は、「利用者一人一人が希望する暮らしの実現」を合言葉にしている。利用者の高齢化にも配慮し、利用者の日々の生活に寄り添い、100人100通りの利用者主体のサービス支援に努めている。
 
<優れている点>
  1. 機織りグループ等の特徴的な日中活動に取り組んでいる
    日中作業は、利用者の身体特性や希望、得意なことなどを勘案し、7グループに編成している。ボールペンの組み立て作業や空き缶のリサイクル、農作業、園芸作業及び機織り工芸などのグループがある。特に機織り工芸は30年の歴史をもち、永耕園の生産活動の特色をなしている。利用者はイメージに合った色に糸を染め、製品を作っている。小田原市作品展で受賞を重ね、平成26年度は市議会議長賞を受賞している。グループ毎に日中活動支援計画を作成し、グループの長期目標と年度毎の支援目標を設定している。年度毎に利用者一人ひとりの目標達成状況を評価し、「日中活動終了時評価」にまとめている。評価結果を次年度の活動目標に反映している。
  2. 利用者一人ひとりのストレングス(利用者のつよみ)に視点を置き、個別支援計画を策定し実践している
    障害者権利条約批准の背景、障害者総合支援法の趣旨、障がい者の特性等を踏まえ、「個別支援計画 の手引き」を独自に作成している。職員は、障がい者の努力過程や成功体験を認めること、障がい者の特 性を踏まえて待つことや聴くことを心がけ、また肯定的に捉えることを大切にしている。職員は、できな いことに注目するのではなく、利用者の能力や才能、欲求、やりたいことを支援することに視点を置き個 別支援計画の作成、その確認、実践の全過程において支援員全員が利用者のストレングスに視点を置いた 支援を心がけている。
  3. 利用者と職員が協力し小グループでの永耕園旅行を企画し実施している
    毎年1回、4、5名でグループを組み、利用者と職員が一緒になって企画し、希望のコースの一泊旅行を楽 しんでいる。他の寮の仲間と組むことも自由である。平成26年度は29のグループが、山中湖周辺のドライ ブや、ホテルでの昼食会、水族館、野球観戦、ディズニーランド、京都一泊旅行、スカイツリー等多彩な旅行を楽しんでいる。日常では体験できない経験を楽しんでいる。永耕園旅行では利用者が家族旅行と同じように、自身で選択し思い思いに旅行を楽しんでいる。
  4. 地域交流により利用者の生活の幅が広がっている
    地域交流を図るため、さまざまなボランティアを受け入れている。月1回定期的にアニマルセラピーの受け入れ、年1回大学の学生が演奏会に来所している。毎年10月に開催される永耕祭には多くのボランティアが参加している。永耕祭では職員が近隣の住民に参加を呼びかけ、毎年2000名が参加する程の盛況で、会場のステージでは老人クラブの踊りや大正琴、子どもたちの空手や踊りなどの出し物が催され、模擬店には近隣の商店街や看護学校の学生などが出店している。また、農作業グループ開催の秋の芋掘り会には、近隣の保育園の子どもたちを招待し、利用者と園児の交流を図っている。余暇活動への取り組みが利用者の生活の幅を広げている。
 
<改善を要する点:>
  1. サービスマニュアルを整備し、標準化への取組の推進が望まれる
    誤嚥などの危険を避けるため、活動日誌のファイルに利用者の特性に合わせた個別支援の留意事項を記し、職員はそれに基づき介助を行っている。排泄に関しても個別支援の留意事項を活動日誌のファイルに記載し、それに基づき介助を行っている。ファイルは定期的に見直し、介助方法に変更がある時には、会議や打ち合わせの場で職員に周知している。しかしながら、業務の流れを記載した食事や排泄支援サービス及び生活環境に関わるマニュアルの整備は不十分である。今後はマニュアルを整備し、作業の標準化を図り、サービス支援の一貫性を図る取り組みが望まれる。
  2. 人権に配慮し、職員間で相互に指摘しあい自由に意見が言える雰囲気づくりが期待される
    利用者は、障害の種別や年齢層が様々であり、マニュアルを基本としつつ、経験に基づく支援員の個別の 能力も求められるため、その支援方法が適切か否かを常に確認する必要がある。職員間で指摘し合うこと で不適切な言動や行為等の早期発見につながる。しかし、職員の自己評価では必ずしもそのような職場環 境が醸成されているとは言い難いようである。人権研修の強化を図り、職員の経験の違いを問わず、気づ いたことを何でも指摘し合える雰囲気づくりが期待される。
 

評価領域ごとの特記事項

評価領域ごとの特記事項
 
人権の尊重
  • 利用者に対する適切な言葉遣いについては、新人研修で冊子「はじめて働くあなたへ-よき支援者を目指して」(日本知的障害者福祉協会)を使用しながら2日間に渡って指導している。呼称については、新人研修で「さん」付けで呼ぶように指導している。暴言、無視、からかい等行為の防止について、新人研修の人権教育で周知している。また、利用者との日常会話では、身体等の差別発言につながるからかいはしないよう指導している。
     
  • 身体拘束に関しては「永耕園身体拘束等行動制限についての申し合わせ」をもとに支援員が行動制限の計画や実施状況を記録し、寮主任、支援部長、施設長が確認をしている。また、利用者の個別支援計画書にも「身体拘束0」の目標欄を設け支援している。
     
  • 不適切な言動等を職員相互に指摘をし合うことが十分にできているとは言えない状況である。職員相互の「気づき」を指摘し合う雰囲気づくりを醸成し、申し送りやケース検討会議を開催し、職員間の意識の共有を図る取り組みが望まれる。
 
意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供
  • アセスメントを毎年1~2月に実施し、個別支援計画の終了時評価を行うと共に次年度の個別支援計画を3月に作成している。アセスメントでは、日常生活動作11項目、衛生と家事それぞれ2項目について、支援なし、見守り、一部間接支援、一部直接支援、全介助に分けて利用者ニーズを明記している。状況の変化が分かるように表示し職員の注意を喚起している。
     
  • 個別支援計画は、利用者の夢や希望の実現のために必要な支援内容を記載している。支援員が作成し、寮主任、支援部長、施設長が確認をした上で、支援員全員に周知している。
     
  • 個別支援計画に「利用者さんの評価・意見」の項目を設け、中間評価・終了時評価で担当職員を中心に職員間の情報共有を図り、次の支援計画に反映している。
     
  • ストレングスの視点に力を入れている。できないことに注目するのではなく、能力、才能、欲求、本人がやりたいことを支援することに視点を置いている。個別支援計画書作成、その確認、実践の全過程において支援員全員が利用者のストレングスに視点を置いた支援を徹底している。
 
サービスマネジメントシステムの確立
  • 重要事項説明書に施設の苦情受付担当者の氏名、連絡先の他、かながわ福祉サービス適正化委員会及びオンブズマン等の連絡先を明記し、家族や利用者に周知している。また、玄関前及び事業所内に苦情受付窓口と苦情解決責任者を明記したポスターを掲示している。
  • 半期毎に相談や苦情内容を取りまとめ職員に周知している。年3回保護者会会長、司法書士、オンブズマンの第三者委員を招き、施設長等が参加しサービス向上委員会を開催し苦情や事故についての報告をしている。オンブズマンは、年3回施設を訪問し利用者から直接苦情や要望を聞いている。
     
  • 感染症予防対策マニュアルを整備している。各寮の代表者と看護師で構成する医療委員会で策定し、施設の運営委員会で検討し、職員会議で全職員に周知している。インフルエンザやノロウイルスの流行時期にはマニュアルに基づいて寮会議などで対策を話し合い職員に周知している。
     
  • 自衛消防組織、及び緊急時の連絡網の体制を整備している。防災訓練は、火災・地震を想定して年10回実施している。防災責任者が計画を立案し、運営委員会で確認した後、各寮に伝達し実施している。年1回、消防署の職員による救急救命講習を実施している。事故が起きた場合には事故報告書を記載し、寮会議などで再発防止対策について話し合っている。
 
地域との交流・連携
  • 永耕祭には多くのボランティアが参加している。ステージでの催しには老人クラブの方の踊りや大正琴、子どもたちの空手や踊りなどの出し物が催され、模擬店には近隣の商店街や看護学校の学生が出店している。月1回アニマルセラピーが来所し、年1回大学の学生が演奏会に来所している。ボランティア受け入れマニュアルを整備し、守秘義務の徹底や事故防止、地域ボランティア育成対策等の対策が望まれる。
     
  • 町内会、自治会等には加盟していないが、自治会の代表者が法人の理事であり、自治会の情報を得ている。また、利用者や職員が地元の商店街に買い物に行く機会が多く、商店街の人たちとのコミュニケーションが取れている。
 
運営上の透明性の確保と継続性
  • ホームページに施設の基本方針・基本理念及び組織、支援内容等を掲載し利用者・家族、地域住民等に開示している。法人全体の昭和29年開設以来の歴史的経過を詳細に掲載し、また、プライバシーポリシーを明示し施設の理解につなげている。日常の永耕園の日中活動や永耕園旅行など余暇活動の状況を詳細にブログに掲示し、施設運営の状況を地域に開示している。
     
  • 年3回、司法書士、オンブズマン、保護者代表、施設長、職員で構成しているサービス向上委員会(第三者委員会)の場で事故報告や苦情の報告を行い、意見を求めている。年度末に一年間分の事故や苦情の内容についてとりまとめ、職員会議で全職員に配布し周知している。
 
職員の資質向上の促進
  • 外部研修の受講を積極的に推進している。平成26年度は、全体で42回の外部研修に延べ77名が受講している。神奈川県社会福祉協議会主催の新任職員研修や、神奈川県ケアマネ従事者会主催のサービス管理責任者研修、中井やまゆり園主催の危機介入研修等を受講している。厚木精華園主催の高齢者援助セミナーは年間9回実施され11名が参加している。外部研修に参加した場合は、報告書を記載し回覧し周知している。
  • 実習生指導担当職員は支援部長が行っている。実習前には、パンフレット、法人の案内、日中活動の様子、障がいってなんだろうなどのパンフレットを用いてガイダンスを行い、実習中の留意点や守秘義務について周知している。実習後に施設の人権の取り組みなどについてアンケートを実施している。
 

評価結果詳細

評価結果詳細
 
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