公益社団法人神奈川県社会福祉士会 会長 山下 康
神奈川県社会福祉士会は、本年(2013年)4月1日には公益社団法人への移行を果たしました。手弁当で始まった福祉職能団体の創設期から、2001年6月「全国初の都道府県支部としての一般社団法人化」を経て、今回の「会設立20周年と公益社団化」へと着々と歩んできました。この間、組織を支え一緒に時代を切り拓いてきた多くの会員・役員の皆様や関係者の方々の御尽力に対して、改めて御礼を申し上げます。
公益社団法人として新たにスタートするにあたり、公益目的事業について下記のとおりとしました。
- 権利擁護及び相談事業
- 地域福祉の増進及び福祉サービスの質の向上に関する事業
- 福祉人材育成及び調査研究事業
以上の3分野に整理し、この他の事業を収益や共益事業としました。
特に社会福祉士は県民とともに歩む福祉専門職であり、県内に於ける社会福祉の増進や県民の生活の向上に最大限寄与していく必要があります。また、本会は本年度も引き続き神奈川県から、生活困窮者支援事業(厚木においてシェルターの運営)地域生活定着支援事業(矯正施設に入所している触法障害者・高齢者の地域生活定着支援)県内避難者専門サポート事業(避難者見守り隊)の3つの事業を受託しています。
これらの事業は神奈川県との信頼関係の中で進めていますが、同時にこれらの事業を推進していくためには、福祉の専門性を発揮しなければ対応が難しく、ますます私たちの社会的な責任と資質の向上が求められています。
私たちソーシャルワーカーは、生活上、さまざまな困難な課題を抱えている人びとからの相談を受け、その解決のために必要な福祉サービスの利用を支援し、関係するさまざまな専門職や事業者間の連携を図り総合的に援助を行っています。又、地域において、社会的なつながりから孤立し、フォーマルな援助に結びついていない人々を発見し、支援や情報提供を実施する、ソーシャルワーカーの機能であるアウトリーチも行っています。
そして、今後神奈川県内において、住みやすい社会や人権を尊重する地域社会作りをしていくためにも、ソーシャルケアサービス従事者が横の連携を取りネットワークを形成していかなくてはなりません。
私たちは今回設立20周年と公益社団法人移行を受け、幅広い事業を展開しながら「新たな時代」を確実に築いていきたいと考えています。今後とも公益の活動を意識しながら、県民の皆さんと共に歩む社会福祉士会を作り上げていく決意です。