特別養護老人ホーム柴胡苑の第三者評価の結果

特別養護老人ホーム柴胡苑の第三者評価の結果
 
評価実施年月 平成27年12月~平成28年10月
公表年月 平成28年10月
対象サービス 高齢分野 特別養護老人ホーム
法人名 社会福祉法人相模福祉村
対象事業所 特別養護老人ホーム 柴胡苑
住所 〒252-0244 相模原市中央区田名6767
TEL・FAX TEL:042-761-8118 FAX:042-760-8828
ホームページ http://fukushimura.or.jp/facilities/saikoen/
 

総合評価

総合評価
 
施設の概要
施設の概要

柴胡苑は、相模原市中央区の閑静な住宅街にある。市内に多くの障害者支援施設、高齢者施設、保育園、グループホーム、障害福祉サービス事業所等を運営する社会福祉法人相模福祉村が、平成9年11月に開所した特別養護老人ホームである。入所定員30名、短期入所6名、通所サービス定員12名の従来型の施設で、従来の施設ケアへの危機感をもとに新しいケアの方向性を目指して設立された。平成28年3月末時点の利用者数は30名で、入所者の平均要介護度は4.6である。全館バリアフリーの開放的な生活空間は、施設全体を包む木の優しい温もりが特徴的である。各階ごとに食堂やサロン、浴室が完備されている。 『ふくし村を「わが街の文化」に』を理念としている。職員は、利用者が地域で一緒に暮らし、本音で暮らせるケアの新しい方向性を目指し、また、認知症の高齢者への質の高いサービス提供、職員の資質・専門性の向上を目指した施設運営に努めている。
 
優れている点

 
  1. 利用者の個々の思いを「施設サービス計画書」に明記し、課題ごとにサービス支援の実践結果を日々チェックする仕組みを整備し、「施設サービス計画書」の実践に努めている。 「介護計画の作成等に関するマニュアル」を作成し、「その人らしい自立」の実現に向けたサービスを行うことを明記している。アセスメントやカンファレンス、モニタリングの着眼点を明記し、「施設サービス計画書」のサービスの品質向上を図っている。「施設サービス計画書」の課題に沿って、月ごとにモニタリングを実施し、また、3ヶ月ごとにアセスメントを実施し、利用者支援ニーズの変化を把握し、カンファレンスでサービス状況を職員相互に確認し計画の見直しを行っている。「ホーム個人サービス表」に毎日のケース記録を詳細に記述している。また、「施設サービス計画書」の短期計画に沿って実践できているかを課題担当職員が毎日チェックし結果を記録している。日々の利用者の生活状況の記録をカンファレンスで検討し、「施設サービス計画書」の見直しに反映している。
     
  2. 利用者の高齢化・重度化の状況の中で、食事形態を工夫し可能な限り長く、口から食事ができるように支援している。 利用者の要介護度の平均は4.6である。重度化の傾向の中で本人に合った食事形態の摂食に取組んでいる。常食普通食、常食ソフト食、やわらかご飯ソフト食、粥ソフト食、粥ゼリー食、ゼリー食、クラッシュゼリー(ペースト・ミキサー)等の食事形態である。利用者の状態に合わせて随時形態変更を行っている。他に医師の指示のもとに糖尿病食等の4種類の療養食を提供している。栄養ケアマネジメントを推進している。3ヶ月ごとに介護、看護、管理栄養士等関係者が栄養カンファレンスを実施し、「栄養スクリーニング・アセスメント・モニタリング」記録を活用し、利用者ごとの食生活と低栄養リスクの状況を確認している。カンファレンスで利用者ごとの長期・短期目標や食事形態、食事量等について話し合い、栄養ケア計画の見直しを行っている。
     
  3. 職員全員が人権意識を徹底し、虐待や身体拘束の防止に努めている。 事業計画に「職員倫理綱領」を掲載し、利用者の人権を守るために、毅然とした対応をすることを明記し全職員に配付し周知している。年度初めの全体会で全職員が「人権ガイドライン」の読み合わせをして、人権意識の徹底を図っている。「人権ガイドライン」は、ことば遣い等の人権擁護に対する日々の職員の基本的態度やプライバシー保護について明記している。毎年人権アンケートを実施し、全職員の人権意識の注意を喚起している。また、身体拘束廃止マニュアルを作成し、虐待や身体拘束防止徹底のために職員に禁止している行為の具体事例を示している。身体拘束・事故防止委員会を立ち上げ、毎月のヒヤリハット報告及び異例報告を分析し、身体拘束防止等に関する勉強会を3ヶ月ごとに開催し、全職員に意識の徹底を図っている。
     
  4. チームワークによる重度の認知症利用者のエンパワーメントを尊重した支援を実践している。 入院し、看取り介護が必要と観られた要介護5の重度認知症の利用者が、退院後にチームワークによる 支援を行うことで、看取り状況から回復した事例がある。医師、生活相談、介護、医務、栄養の関係者が連携し、退院時の状況を全職員が周知し、できる動作の確認から支援を開始した。丁寧に口腔ケアと水分補給を行うことで、徐々に食事への本人の意欲がでてきた。食事の量を少しずつ調整し、すっかり食事ができるようになり体調が回復した。利用者の回復への思いを支える職員の諦めない努力が利用者本人の生きる力に繋がっている。
     
  5. 施設内での感染症発生の防止に力を入れている。 「感染症対策マニュアル」及び「感染症対策に関する指針」を作成し、感染経路の遮断等の感染症の種類別の蔓延防止について明らかにしている。感染症予防・安全対策委員会を立ち上げ感染症予防に努めている。ご家族の面会時の食べ物の持ち込みの制限や職員の健康チェック(就業前の手洗い、体温チェック)、うがい、マスク着用の徹底や感染症流行時の各階利用者の移動制限等の対策を講じている。ヒヤリハット事例から、感染物処理方法の統一実施について全職員を対象に実施確認を行っている。平成26、27年度は施設内の感染症発生は0件であった。
 
改善を要する点

利用者の高齢化・重度化の状況のなかで、定期的にサービス状況の自己評価を実施し、サービス改善につなぐ取り組みが期待される。 厚生労働省の第三者評価ガイドラインに沿って全職員が参加し定期的に自己評価を実施し、職員の気づきをサービス改善につなげる取り組みが期待される。サービスニーズの変化に対する自己評価の結果を利用者・家族に説明し、課題を共有する取り組みが期待される。
 

評価領域ごとの特記事項

評価領域ごとの特記事項
 
人権の尊重
  • 年度初めの全体会で「人権ガイドライン」等の読み合わせを行い、その後人権擁護についての勉強会を開き徹底するようにしている。利用者に対する呼称は「さん」づけにしている。ただ、昔の名前にこだわる利用者や同姓の利用者もいるので、フルネームで〇〇さんと呼んだり、下の名前で呼んだりしている。日常会話は各利用者に合わせて、分かりやすく丁寧に話すように心がけている。

  • 身体拘束ゼロの介護をめざし、「身体拘束廃止に関する指針」に身体拘束の「緊急やむを得ない場合の例外3原則(切迫性・非代替性・一時性)」を定めているが、現在身体拘束はない。強い指示的な言葉で、利用者の精神の自由を奪うことも拘束と捉える意識を、職員に徹底している。

     
  • 居室でのプライバシーの保護について、「介護マニュアル」に明記している。入室時のノックや声かけの徹底をし、2人部屋で排泄等の個別ケアをするときは、必ずベッド回りのカーテンを引いている。各部屋のドアに丸いのぞき窓がついているが、一人部屋での排泄介助には、介助者がドア側に立ち、見えないようにしている。

     
  • 個人情報は鍵のかかるスタッフルームで管理し、持ち出さないようにしている。申し送りなども利用者のいないスタッフルームで行っている。食堂や居室で利用者に話をするときも傍に行って他の人に聞こえないように話している。
 
意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供
  • 「介護計画の作成等に関するマニュアル」に沿って利用者・家族には分かりやすく説明している。重要事項説明書は利用者が理解できる言葉を選び、説明した上で押印してもらっている。利用者・家族のニーズや他の福祉資源についても情報提供をして「施設サービス計画書」に反映するように努めている。

     
  • 「介護計画の作成等に関するマニュアル」に記載されたケアマネジメントの目的と手順に沿って、アセスメントを行い、利用者・家族の意向を聞き、「施設サービス計画書」を作成している。ケアマネジメントの目的の第一に「その人らしい自立」を掲げているが、「施設サービス計画書」作成時や見直し時の他に日常的に担当職員が利用者の思いを受け止め、その人らしい支援であるか確認している。

  • 職員やボランティアによる体操や音楽のアクティビティ、1ヶ月に2回来苑する理美容業者による整髪やマッサージなどにより、利用者が体を動かしたり、おしゃれをしたり楽しみを見つけたりしている。職員は利用者の希望に沿い、能力を活かして生活できるように支援している。


  • 個別支援計画の策定時や見直し時は、利用者・家族が参加し、カンファレンスを行い、「施設サービス計画書」を策定している。利用者・家族に計画の内容を説明し承諾を得てサインや印をもらっている。
 
サービスマネジメントシステムの確立
  • リスクマネジメントに熱心に取り組んでいる。身体拘束廃止・事故防止対策検討委員会が中心となり、「ヒヤリハット」「事故報告」のレベルを分類し、起こった事故や、ヒヤリハットを分析して3ヶ月ごとに勉強会を実施している。リスクマネジメントを含めたサービス提供のあり方、改善の方向性を検討している。「急変時対応マニュアル」に急変時の対応手順を明示している。毎年事故防止対策委員会の企画で事故事例を検討し、救命救急研修を勉強会で取り上げている。

     
  • 「感染症対策マニュアル」・「感染症対策に関する指針」を作成し、感染経路の遮断等の感染症の種類別の蔓延防止について明らかにしている。感染症予防・安全対策委員会を立ち上げ、職員の手洗い・うがい、マスク着用の徹底や感染症流行時の各階利用者の移動制限等の対策を講じている。平成26、27年度は施設内の感染症発生は0件であった。

     
  • 法人の災害対策規程をもとに、苑の消防計画を策定している。消防計画には、防火責任者の責務と権限や、自衛消防活動などについて記載しているほか、防災教育や訓練、地震時の対応について明示している。消防計画に則り、年2回地震・火災を想定して防災訓練を実施している。

     
  • 「苦情申出窓口の設置について」を作成し苦情解決責任者、受付担当、第三者委員を明記し、玄関、エレベーター内など目に付きやすいところに掲示している。第三者委員は地域をよく知る民生委員や元小学校長に依頼している。
 
地域との交流・連携
  • ボランティア受入マニュアルを作成し、申請方法や守秘義務等について明記している。相談員が窓口となり、ボランティアの受け入れを調整し、終了時には反省会を開いている。定期的に来所している体操や歌謡ショーのボランティアをはじめ、イベントなどに出演してくれているジャグリングやマジックなどのボランティアを受け入れている。


  • 年2回法人で実施している「福祉村杯ゲートボール大会」に近隣の方々が400人ほど参加しており、良い交流の場となっている。避難訓練の際に近隣の方々に呼びかけて、救急時の対応などについてレクチャーしている。一昨年まで、夕涼み会、秋祭り、夏まつりに地域の方を招待していたが、利用者の介護度の重度化が進んでいるため、困難な状況になっている。

     
  • 地域の自治会に加盟している。自治会の総会や防災訓練の打ち合わせに参加している。回覧板により地域の情報を得ている。自治会のバレーボール大会、夏まつり、町内の清掃には職員が参加している。
 
運営上の透明性の確保と継続性
  • ホームページに法人相模福祉村としての理念やプライバシーポリシー、施設運営の考え方・方針について詳細に掲載し、地域住民に周知している。また、施設サービスの内容をホームページに公表し、施設長の施設運営の考え方を示している。希望があれば事業報告書を公開している。

     
  • 厚生労働省の第三者評価ガイドラインに沿って、定期的に自己評価を実施し、サービス改善につなげる取り組みが期待される。高齢化・重度化の傾向の中で、サービスニーズの変化に対する自己評価を実施し、利用者・家族に説明し、課題を共有する取り組みが期待される。
 
職員の資質向上の促進
  • 新任研修を4日間実施しており、冒頭で基本理念、基本方針について伝えている。毎年年度初めに、全体会を実施し、事業計画の読み合わせを行っており、その中で理念・基本方針について周知している。

  • 防災管理、食中毒、感染症対策、虐待防止、介護に関する研修など多岐に渡って外部の研修を受講している。外部研修に参加した際は、関係する部署を中心に伝達研修を行い、報告書及び資料は閲覧できるよう各部署に回覧している。内部研修として委員会主催、医療部門主催、介護部門主催の勉強会を開催し、また、現任研修として全職員を対象に、利用者の生活を体験する研修を実施している。

  • 実習の受け入れは生活相談員が窓口となって行っている。教職員の介護等体験、介護福祉士・社会福祉士の実習、認知症実践者の実習を受け入れている。実習指導に当たり法人が指導者研修を実施している。実習生は、毎日の反省・全体の反省と感想文を提出している。守秘義務について実習のオリエンテーションで説明し周知している。現在受け入れマニュアルを作成中である。
 

評価結果詳細

評価結果詳細
 
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