公益社団法人神奈川県社会福祉士会は、神奈川県内における社会福祉の推進と発展を目指します。

 
 

三浦しらとり園の結果

三浦しらとり園の結果
 
評価実施年月 平成24年12月~平成25年6月
公表年月 平成25年 7月
対象サービス 福祉型障害児入所施設
法人名 社会福祉法人清和会
対象事業所 三浦しらとり園
住所 〒239-0842 横須賀市長沢4-13-1
TEL・FAX TEL:046-848-5255 FAX:045-848-5258
ホームページ http://www.kanagawa-id.org/seiwa/shisetu/shiratori/
 

総合評価

総合評価
 
優れている点・独自に取り組んでいる点
施設の概要:

 三浦しらとり園は、横須賀市の京急線長沢駅から徒歩10分程度の緑豊かな自然の中にある。障害者支援の複合施設として重い障害を持つ児童や成人の入所・通所の支援を行っている。昭和38年に神奈川県立長沢学園として開設し、昭和58年に成人の入所・通所部門を加えて三浦しらとり園として施設運営を開始した。平成23年4月から社会福祉法人清和会が指定管理者として施設運営を引き継ぎ現在に至っている。鉄筋2階建の施設で園内に大きな体育館やプールを保有し、地域住民にも開放している。知的障害児入所(定員40名)、成人入所(定員88名)、通所生活介護(定員95名)、自立訓練(定員6名)及び短期入所(定員24名)の事業を運営しており、知的障害児分野が今回の第三者評価の対象である。  園の理念に「一人ひとりの意思を尊重します。」「一人ひとりの豊かな生活を実現するよう努めます。」「一人ひとりよりよい地域での生活をめざします。」を謳っている。理念に基づいて利用者の人権尊重や利用者や家族に配慮した個別支援計画の策定とその着実な実行等を基本方針に掲げている。平成24年度年間運営計画の重点目標に、県立時代に蓄積された支援・運営を確実に引き継ぎ、民営の良い面と融和させることによって更なるサービスの向上を目指すことを明記し、日々の利用者支援に務めている。
 
優れている点:

  1. 利用者の人権尊重を施設運営の基本方針に謳っている。平成24 年度の重点課題に、利用者の人権擁護・虐待防止への取り組みを推進しサービスの向上に努めることを掲げている。人権委員会を立ち上げ人権パンフレット「生きているっていいなⅣ」を作成し、利用者が自らの意思で行動し豊な生活ができるように支援することや、人格を傷つける行為をしないことなどを利用者や家族に伝えている。職員の言葉遣い及び態度マニュアルを作成し、相手の感情に寄り添う温かい態度と熱心に利用者の声に耳を傾けることの大切さを職員に周知している。また、身体拘束ゼロマニュアルを作成し、車椅子やベッド、衣類等拘束に繋がる事例を明記し拘束をしないことへの注意を喚起している。特に知的障害者への虐待につながりやすい罰としての拘束や、薬物拘束などを行わないことを明記し職員に徹底している。
     
  2. 利用者一人ひとりの障害特性に配慮した個別支援計画を策定している。平成24 年度年間運営計画の重点課題に個別支援の充実を掲げ、栄養ケア計画、リハビリテーション計画を含め、利用者・家族の意思を尊重し、本人のストレングスに沿った個別支援計画を作成することを明記している。個別支援計画作成及び運用マニュアルを整備し、ケアマネジメントの手法によるアセスメントやモニタリングの内容について詳細に規定している。アセスメントでは特に学齢期の児童の特質に配慮し、本人の本来もつ能力や強さのプラス面の視点で利用者ニーズを把握するようにしている。個別支援計画の策定に際しては、利用者自身の努力目標ではなくどのような支援を行えば利用者の生活が豊かに広がるのかに視点を置いて個別支援の課題を設定している。また、半年ごとにモニタリングを行い、個別支援計画の課題ごとに実績を評価し、利用者の変化の状況を注意深く観察し次の計画に活かすようにしている。
     
  3. 医療と福祉の連携を図り、利用者が安心して日常生活を送れるように支援している。湘南病院と連携し、園内に診療所を開設している。診療所には月曜から金曜日まで医師が常駐し随時利用者を診察し、また、内科検診や歯科検診など毎年10種類以上の定期検診を行っている。夜間や休日は湘南病院本院と連携し緊急時の対応体制を整備している。歯科医が利用者の口腔ケアを指導し嚥下障害の利用者の食形態等を指導している。健康管理マニュアルを作成し、利用者の障害特性に応じた健康管理に努めている。利用者一人ひとりの健康カードを作成し、利用者の発作の対応や食物アレルギーに関する情報など、食事や服薬に関する利用者の日常生活における留意点を明記し職員に周知している。受診に際しては健康カードを携帯し、また、医師の指示内容を診療連絡簿に記録し職員に周知し医療情報の共有を図っている。
     
  4. 1人ひとりの特性に配慮した強度行動障害者への支援に努めている。神奈川県の強度行動障害事業の実施施設としての取り組みを推進しており、強度行動障害事業専任職員等の担当職員を配置し強度行動障害に特徴的な自傷・他害の行動などの障害の軽減化を図るとともに、利用者・家族等への相談や助言を行っている。平成24 年度施設の運営計画に、行動障害の基本的支援技術や地域ニーズに対応したスキルの向上を図るべく積極的に外部・内部の研修受講を明記している。平成23年度は、特に支援の難しい知的障害者に対し、26 名(内児童13名)を強度行動障害の対象者にさだめ、138回(内児童55回)のカンファレンスと297件(内児童45件)の個別支援を実施したことを事業報告書に明記している。また、年間14回延べ30名を超える職員が外部の事例研修や実地研修に参加し、強度行動障害に対する支援技術の強化を図っている。
     
  5. リスクマネジメント委員会を毎月開催し、毎月のインシデント報告書の内容を分析し事故防止に努めている。毎月リスクマネジメント便りを発行し、インシデントや事故報告の時間や場所、インシデントの内容をグラフ化して職員に周知している。また、利用者別にインシデント報告の内容を分析し、対応や対策を一覧表にして職員に周知している。平成23年度は施設全体で2107 件のインシデント報告があり、報告の意識が職員に定着していることが伺える。また、事故報告は74件で、前年より15件の削減を図ることができた。職員は、リスクマネジメント委員会の通達事項を寮会議で検討し、薬ケースのセットのダブルチェックの徹底など、インシデント分析に基づくリスクマネジメント委員会の指摘事項への対策を話し合い事故防止に努めている。
 
 

評価領域ごとの特記事項

評価領域ごとの特記事項
 
人権への配慮
  • 人権パンフレット「いきているっていいなⅣ」「職員言葉遣い及び態度のマニュアル」を作成し職員に周知している。その中には、個人の人格を尊重し利用者の呼称は「さん」付けで行うことが明示されている。「ちゃん付け」などに気づいた時には職員同士で声掛けをし、注意を喚起している。
 
  • 人権委員会を隔月に開催している。年1回人権委員会が中心となり、人権アンケートを実施し、各セクションで課題を設定し一定期間課題に基づき支援を行った後、追跡アンケートを実施している。人権委員会による身体拘束ゼロマニュアルが作成されており、行動制限を行わないことや止むを得ず実施する場合の事由や対応について明示している。
 
  • 排泄時には外部から見えないようドアやカーテン、スクリーンを使用し、プライバシーが守られるように配慮している。入浴時や清拭時にはドアやカーテンを閉めることにしており、プライバシーが守られている。排泄、入浴は同性介護を行っている。
 
  • 個人情報保護規程を作成し、個人情報とは何か、利用目的による制限などについて明示している。また、守秘義務について記されており、新任研修や朝の会、引継ぎの申し送り、職員会議の場において全職員に周知している。利用者の前で他の利用者個人に関わる話をしないように注意している。
 
利用者の意思・可能性を尊重した自立生活支援
  • 児童の希望や要望を聞き、ニーズの把握に努め個別支援計画に反映している。親と外出がしたい、おいしいものが食べたい、高校へ行きたい、調理がしたいなどさまざまな要望を聞いて利用者の意向の実現に努めている。言葉で話すことの出来ない利用者の要望は日常生活の中で職員が読み取り、職員間で話し合いをしながら利用者のニーズを確認している。
 
  • 出来るだけ利用者の持っている力を発揮できるよう、個別支援計画の作成にあたり、エンパワメントの要素を取り入れている。利用者自身の要望に応じ洗濯、配膳、掃除など自らの行動計画をたて、自身の力で目標を達成することが出来るよう支援している。
 
  • 個別支援計画は初回は3ヶ月後にその後は6ヶ月ごとにモニタリングを行っている。モニタリング表を使用して、個別支援計画作成担当者が利用者一人ひとりと面接を実施している。心理士が定期的に児童に面接し、児童の思いを聞いて個別支援計画策定の助言をしている。日々の生活の場でも利用者の様子を観察したり、話し合いを行いながら利用者のニーズや思いの把握に努めている。
 
  • 食事支援、入浴支援、排泄支援、健康管理等日常生活支援に関するマニュアルが整備されている。マニュアルは寮の職員室に配置し職員は必要に応じて見ることができる。また、事務所のパソコンでいつでも確認できるようになっている。
 
サービスマネジ メントシステム の確立
  • 法人の苦情解決規程があり、苦情受付担当者や苦情解決責任者の設置及び苦情解決の手順などについて明示している。苦情解決責任者と苦情受付担当者を掲示し利用者や家族に周知している。苦情の記録は苦情受付記録表に記載し、苦情解決委員会で話し合い対策を講じている。また、第三者委員3名の連絡先をプリントし利用者に配付し、いつでも第三者委員に相談できることを伝えている。また、オンブズマン制度が設置されており、年10回オンブズマンが訪問し、第三者として利用者の相談を受けている。
 
  • ヒヤリハット報告の仕組みを整備し事故防止に努めている。ヒヤリハットの報告が出た場合には、朝の会や職員会議で職員に注意を喚起し、また月1回、リスクマネジメント会議で集計を行い、対応や対策について話し合い、その結果は全職員に周知している。
 
  • 「感染症対策マニュアル」を職員に周知している。実際に発生した時は、感染症対策委員会を速やかに立ち上げ、園内診療所の医師、看護師、近隣小・中学校と連携し早急な対応に心がけている。
 
  • 防災マニュアルを整備している。毎月の避難・防災訓練の設定を変えいろいろなケースを試みることで、緊急時の対応力が身につくようにしている。現在地域福祉避難所に指定されている。
 
地域との交流・ 連携
  • サービス向上委員会と人権委員会で、1年に1回全職員対象に自己評価アンケートを実施している。内容は第三者評価の設問を参考にしている。アンケートの結果を県に報告し、振り返りとサービスの質の向上を目指す取り組みをしている。
 
  • 家族会は毎月開かれ、自己評価結果を家族会で報告している。利用者・家族向けの「園だより」にも、要約して掲載している。2008年度に本部が福祉サービス第三者評価を受審しているが、公表されていることを利用者や家族に知らせている。自己評価結果などを受けて取り組んだことを、年4回発行の「リスクマネジメント通信」等で家族や利用者に知らせている。
 
  • 家族会に「神奈川県立障害者福祉関係施設指定管理者評価報告書」を報告するとともに、事業報告書に記載してホームページに公開している。前回、本部が受審した第三者評価結果も公開されている。指定管理者になってからは、「神奈川県立障害者福祉関係施設指定管理者評価報告書」がインターネットで公開されている。
 
職員の資質向上 促進
  • 外部研修や内部研修に積極的に取り組んでいる。平成23年度実績では、施設全体で自閉症や強度行動障害等30を超える研修会を受講し、また、内部研修では障害者支援の事例研究会など30種類の各種研修を実施している。職員は障害特性についての研修、虐待防止、事例研究など多くの研修に参加していて、必ず報告書を提出し、全職員で回覧し研修の成果を共有している。
 
  • 新任・転任研修ではまず施設理念・方針について説明している。また、各種委員会活動でも、すべて理念・方針に基づいている。全員配布の人権パンフレット「いきているっていいなⅣ」の最初にも理念・方針を掲げ職員は所持している。園の事務所、寮の職員室、会議室などには理念・方針が掲示され職員に周知している。
 
  • ケース検討会を年複数回開くほか、児童課独自で児童相談所での体験学習や、心理職員による被虐待児童援助研修等で、面接技術の向上を図っている。
 

評価結果詳細

評価結果詳細
 
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