でい工房花はな

でい工房花はな
 

評価実施年月

平成30年4月~平成31年2月

公表年月

2019(平成31)年3月

対象サービス

障害分野 生活介護他

法人名

社会福祉法人花

対象事業所

でい工房はな

住所

〒259-1201 神奈川県平塚市南金目346-1

TELFAX

TEL0463-50-3080

ホームページ

http://hiratsuka-hana.or.jp/facility/

 

総合評価 (優れている点、独自に取り組んでいる点、改善すべき事項等)

総合評価 (優れている点、独自に取り組んでいる点、改善すべき事項等)
 
<施設の概要>
でい工房花はなは、小田急線秦野駅からバスで20分、又はJR東海道線平塚駅からバスで30分の、東海大学湘南キャンパス近く田畑が広がる県道に面した場所にある。2004年に特定非営利活動法人として発足、10年目となる2015年3月に社会福祉法人となり、現在は定員20名の生活介護施設として、発足当初からグループホームであるホーム花(桜の家・風の家 定員11名)と同じ建物の中で一体的に運営している。社会福祉法人花は、障害があっても高齢になっても、自分らしくありのままにいつまでも仲間と一緒に暮らせる「終の棲家」として、より安定的に永続的に、そして安心して暮らせる場、仕組みを創ること目的とし、生活介護でい工房花はな、及び共同生活援助ホーム花を運営している。
 
<優れている点>
  • 障害特性を捉え利用者の視点に立った支援
    利用者一人一人の障害特性を捉え、利用者の視点に立って支援を工夫している。家族の意向を「家族アンケート」で把握している。また、利用者の意向は日々の支援場面で把握し「職員アンケート」に記載している。それを課題整理票に整理し、利用者及び家族確認のもと個別支援計画を作成している。その上で、言語でのコミュニケーションが難しい利用者には、身振りや手ぶりなど利用者に合わせたコミュニケーション方法を工夫、安心安定した生活リズムの確立が必要な利用者には個別に活動時間を調整している。また、否定されると不安定になる利用者について肯定的な応答での支援に取り組むなど、利用者の障害特性を理解し個々の特性に応じた支援を工夫している。
  • 居心地よい環境を用いてのメリハリある活動の工夫
    障害特性や関係性をとらえ活動を3つの班に分けることで、小集団を捉えた活動リズムや担当する職員を固定して配置し、利用者にとって安心できる活動環境を提供している。また、パーテーションや高床畳コーナー、ソファーや椅子など様々な場所を提供することで、利用者が自分の落ち着ける場所で過ごせるように工夫している。日中活動は、作業の時間、散歩の時間、食事の時間、レクリエーションの時間などメリハリのある時間構成で組み立てている。特に、本人と話し合って日中活動での「始まり」と「終わり」の合図や仕組みを決め、活動リズムの整える事を通じて達成感が感じられ、自身で次の行動に移れるように取り組んでいる。
  • 風味と見た目でも味わう食事の提供
    昼食は、食材業者の月間献立表を基本としつつ利用者の嗜好を捉え、煮魚を焼き魚にしたり揚げ物にするなど、3名の調理員が調理方法を工夫している。きゅうりやナスなど近隣から寄贈された食材など臨機応変に加えている。嚥下状況を分析し刻んだり一口大にして提供するなどしている。また、葉物など食べにくいおかずを柔らかく茹でたり、リンゴを加熱し柔らかくして提供するなど調理段階で工夫をしている。その上で、一人ひとりに合わせて、刻み方でおかずなどの見た目の量、香味野菜などを加えて風味を工夫している。皿など使用する器と共におかずの色の組み合わせに配慮して盛り付け、懐石料理のように見た目でも味合う事を大切にしており、今後の一部選択食の導入など更に嗜好を捉えた工夫、利用者の自己決定を促す一助としての工夫などの可能性を秘めている。
 
<改善を要する点>
  • インシデント・アクシデント発生時の対応の明文化
    インシデントやアクシデントが発生した場合は、「業務日誌」の「ヒヤリハット」欄に記載し、職員が管理者と共に対応している。しかし、発生件数と内容の分析、対応の手順等が明確になっていない。想定されるインシデント及びアクシデントの洗い出しと、インシデントとアクシデント各々の定義やレベルを明確化し、発生時の報告及び記録・対応・再発防止への分析や公表など、対応の流れや書式を整え、職員に周知すると共に、利用者及び家族への理解を図ることが望まれる。
  • マニュアルの整備
    職員の経験と実績に裏打ちされたサービスを工夫し提供している。しかし、排泄に関する見守り、誘導の支援は行なっているが、排泄支援マニュアルは整備されていない。また、職員企画による行事や外部講師による活動など工夫し実施しているが、リスク管理も含めた日常活動支援に関するマニュアルがない。感染症予防につては、インフルエンザだけを対象に整備されており他の感染症については未整備であるなど、マニュアルや手順書の未整備が散見される。職員の経験をもとに、標準的なサービス提供の仕組みの体系化と、マニュアルの整備・工夫が望まれる。
  • 定期的な自己評価と結果の反映
    今回の第三者評価受審の自己評価をとりまとめるために、全職員が参加し自己評価を実施している。しかし、白紙回答など自己評価実施への理解と周知、また評価結果の集計が完了しておらずシステムに反映するには至っていない。支援の視点や方法などを支援者自身が振り返り、提供するサービスの向上に資する自己評価の仕組みと実践が期待される。
  • 要望や苦情に対する対応資料の工夫
    家族からの書面による訴えに対し、丁寧に対応している。要望や苦情を受け付けてから苦情内容の確認、調査、検討と対応、報告、公表など苦情対応規程で明記されているが、苦情解決のしくみについては、フローチャート等の図で示すなど、利用者及び家族へのわかりやすい工夫も望まれる。
 

評価領域ごとの特記事項

評価領域ごとの特記事項
 
人権の尊重
  • 「あおぞらプランⅡ」を全職員に配布し人権擁護について周知を図っている。特に、新人職員は「あおぞらプランⅡ」に関する外部研修を受け、受講内容の伝達研修を行なうことで理解を深めている。また、身体拘束を行わないことを再確認し、これまで車いすで体位保持ベルトを習慣的に使用していた利用者への対応を検討し、安全確認した上で本人及び家族了解のもと使用を止めた。
  • 通所施設なので、居室や浴室は無いが、トイレの利用や排泄介助の場面では、プライバシー保護に留意している。利用者の「連絡帳」は職員事務室で保管し、他の利用者が見ることのないように配慮している。行事や日常場面の写真を広報「花だより」などに掲載する場合は、事前に掲載の可否について本人及び家族の了解を得ている。
  • 利用者を一人の人として認め尊重し誠意をもって対応する「利用者中心の支援」について、「花の職員へ伝えたいこと」に明文化している。また、「花の職員として~基本的な心構え~」として明文化し「常勤会議」で説明し、本人や家族が「この人に話して良かったと思ってもらえるように対応する」ことの大切さを伝えている。
 
意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供
  • 家族の意向は「家族アンケート」で、利用者の意向は日々の支援場面の様子で把握し「職員アンケート」に記載している。利用者のADLや社会適応能力を把握し、担当職員が「課題整理票」にまとめ、少しずつ歩く練習をすることを目標とするなど、必要に応じて個別支援計画書に反映させている。計画原案を利用者・家族・職員2名の三者会議にて話し合い、同意のもと個別支援計画書を作成している。
  • 活動は3つの班単位で行なっている。各班を担当する職員が配置されている。班内で、利用者ごとの担当する職員が中心となり、日々の利用者の思いやニーズを把握するようにしている。利用者の様子は、「業務日誌」や個別の「ケース記録」に記載し、必要に応じて「班会議」や「でい支援会議」で検討している。
 
サービスマネジメントシステムの確立
  • 「職員行動マニュアル」を整備し、健康管理やインフルエンザ発症時の対応について記述している。また、防災、救命救急等のマニュアルとともに、職員事務室に置き、いつでも見て確認できるようになっている。しかし、排泄については「連絡ノート」を用いて家族と情報を共有して支援しているものの、排泄支援マニュアルは整備されていない。行事やレクリエーションなどは、担当職員が中心となり計画・実施、また外部講師による絵手紙、ぬらし絵、フラダンスを実施しているが、特に計画・実施上の配慮など定めたマニュアルは未整備である。
  • 体調の急変時には「職員行動マニュアル」に沿って対応することなどが記載されている。また、インシデントや事故が発生した場合は、「業務日誌」の「ヒヤリハット」欄に記載し、サービス管理責任者や管理者に報告し、その日のうちに対策を検討し、翌日の「朝の申し送り」時に全職員に伝達し対応を周知している。しかし、「ヒヤリハットや介護事故報告書」という書式があるが、インシデントと事故を区別する定義がなく、事故など発生から対応、再発防止の分析等の手順を定めたものは無い。
  • 言語でのコミュニケーションが難しい利用者とは、身振り、手ぶりなど、利用者に合わせたコミュニケーション方法を工夫している。食事では、市販されている握りやすい柄のスプーンや縁付きのすくいやすい皿で提供している。5名の利用者が個人所有の車いすを使用している。しかし、車いすの介助や車いすリフトなどの使用方法について、特に研修は行なっていない。また、整備・安全点検のルールを定めていない。
  • 感染症予防等については、「職員行動マニュアル」に基づき対応している。「新人研修」において、「インフルエンザ発生時の対応について<職員行動マニュアル>」等を配布し、周知を図っている。また、非常勤職員も含め全員を対象に内部研修を開催し周知を図っている。他の感染症についてもマニュアルを整備する予定である。
  • 苦情については、家族からの書面での訴えをとらえ、「常勤会議」で対応を協議し改善策を回答、併せて「職員行動マニュアル」を見直し職員に周知したことがある。苦情解決のシステムについては、苦情の受理から解決までの、具体的な手順について示されている苦情対応規程のほかに、フローチャートを用いて分かりやすく示すなど資料の工夫の余地がある。
 
地域との交流・連携
  • 地域内の自治会と、バザーなどの行事などを通じて情報交換を行なっている。地域の住民、自治会長、市議会議員、家族と一緒に、年1回「交流会」を行っている。平成27年までは、利用者の発表会形式であったが、平成28年より「おやつ作り」というテーマで行ったところ、より、地域住民と利用者との交流が図れる会となったため、今年度も、さらに交流が図れるよう企画している。
  • バザーや年1回の「交流会」は、近隣住民が楽しみにするなど定着している。しかし、福祉を理解してもらうための講習会や研修会は開催していない。また、地域の自治会や住民の福祉活動などに、施設の部屋や敷地の提供、施設設備の貸し出しは行なっていない。
  • ボランティアは、受入担当者などを定めた「ボランティア受入規定」に則って、「ボランティア活動の確認書」「誓約書」などを取り交わし受け入れている。バザー開催時に数名、プール活動で数名が継続的に関わっている。近隣大学からも3名の学生アルバイトを受け入れている。
 
運営上の透明性の確保と継続性
  • 実施要項を定め、利用者及び家族を対象にアンケート(満足度調査)を実施している。アンケートは、「安心安全な活動・暮らし」から「職員の利用者支援」、「苦情受付・苦情対応体制」までの14の設問と自由記載から成り、集計結果を広報「花だより」で報告し、施設運営とサービスの質向上に反映させている。
  • 今回の第三者評価受審の自己評価をとりまとめるために、非常勤職員も含め全職員を対象にアンケートと称して自己評価を実施している。評価項目に対する職員の意識や関心の度合いなどが把握でき、また回答の概要からおおよその課題を捉えることができた。しかし、集計が完了しておらず、詳細な分析や評価結果を利用者及び家族に開示できていない。
 
職員の資質向上の促進
  • 理念及び方針に関しては、新人職員には、新人研修「内部研修」資料で伝え周知を図っている。また、全職員を対象に、年度当初に内部研修を開催し、「花の理念、花の方針」を配布して周知を図っている。また、広報「花だより」に掲載し、広く周知している。
  • 外部研修の案内を、年間計画や随時職員事務室に掲示し、受講希望を申し出る事ができる。また、受講指示により外部研修に受講する場合もある。外部研修受講後は、提出された報告書をもとに「常勤会議」で伝達研修を行う場合がある。また、伝達研修を行った報告書も含め、全ての研修報告書を職員事務室に保管し、いつでも閲覧できるようにしている。
  • 摂食研修などの受講はしているが、ケースワーク技法や面接技術等の基本的な援助態度の研修は未実施である。今後は、職階別研修の仕組みを取り入れ、計画的に研修を受講していくなかで、基本的な援助態度の研修も取り組む予定である。
 

評価結果詳細

評価結果詳細
 
<<公益社団法人神奈川県社会福祉士会>> 〒221-0844 神奈川県横浜市神奈川区沢渡4-2 神奈川県社会福祉会館3階 TEL:045-317-2045 FAX:045-317-2046