〇職員は利用者の働く力を引き出し働く喜びを大切にした支援に努めている
一日が終えて利用者が帰宅するときは必ず「また明日ね」とお互いに声をかけている。利用者の明るい表情がある。個別支援計画に利用者のやりたい作業やクラブ活動を明記し、職員は利用者の思いや希望の実現に努めている。利用者がわかりやすいように作業工程を細分化し、また、個々の利用者特性に配慮した治具を工夫し、利用者が楽しんで作業ができるように支援している。自主製品や受注作業等の様々な作業を提供し、作業環境の整備と安全を確保し、一日を通して利用者が楽しんで作業に取り組めるようにしている。また、現在合唱クラブ、家庭科クラブ、体操クラブ、写真クラブがあり、利用者全員がどれかに所属している。職員は、それぞれが自分の思いを実現した「成功体験」を大切にした支援を心掛けている。
〇「街の中のポップコーン屋さん」をめざしている
令和2年より自主製品のポップコーンの製造・販売を実施している。施設に通っている利用者が製造したポップコーンを地域のコンビニエンスストアなど10か所以上の店舗等で販売している。ポップコーン製造の全国規模の企業のフランチャイズとして施設の作業に取り入れたもので、保健所の菓子製造業の許可のもとに、食品衛生責任者を配置し食品の衛生管理を徹底している。地域の小学校がポップコーンの製造現場の見学に施設を訪問したことがあり、ポップコーンを通じた地域交流がある。また、ポップコーンが利用者の工賃アップにつながっている。施設の入り口のレイアウトを工夫して、「街の中のポップコーン屋さん」として地域に開放している。
〇多機能型事業所として障がい者就労に係る課題等の地域ニーズに取り組んでいる
就労継続支援B型事業、就労移行支援事業、就労定着支援事業の多機能型事業所として、地域ニーズの把握に努めている。地域の自治会、民生児童委員、ボランティア代表、社会福祉協議会、市役所、保護者会代表で構成される事業所の運営委員会を開催し、また地域の関係機関で構成されたネットワーク会議に参加して、施設への地域ニーズの把握に努めている。伊勢原市が主催する障がい者とくらしを考える協議会の専門部会の「災害時支援部会長」を施設長が務め、「就労支援部会長」を主任が務めている。就労支援部会長として、障がい者の就労に係る課題等に積極的に取り組んでいる。障がい者就労支援に対する地域の相談や情報提供のハブ的存在としてコーディネーター的役割も担っている。
〇個々の障がい特性に配慮した利用者支援マニュアルの整備が期待される
提供する福祉サービスの標準化を推進する「生活支援マニュアル」及び、行動障害等の利用者の個々の障害特性に配慮した支援の「手順書」の整備が望まれる。マニュアルを整備し職員間の支援の統一性を図る取組みが期待される。