◇特長
○ 温かみのある環境でのチーム保育
天井の梁や暖房の効いた床に、檜の無垢材をふんだんに用いた園舎は、温かみのある空間となっている。日々の気づきによる手作りの棚や物入れなどを工夫し、愛着をもって用いている。その環境のもとで、発達の援助など約200項目からなる自己評価を、全職員が年3回行い、「関係保育」を目指しチームによる保育を大切に、保育の質の向上を目指している。
○ 保育の標準化と、その基盤での業務継続計画(以下「BCP」という)
登園時の受け入れや健康観察、食事、午睡、災害時の対応など、場面ごとに標準的な実施方法を定めている。その上で、子ども一人ひとりに合わせた保育を行っている。その基盤のもと、「業務継続計画」は、基本方針、推進体制に続き、BCP発動基準を災害別に定め、行動基準と優先する事業等を具体的に定めている。
○ コスト分析と情報通信技術(以下「ICT」という)活用による業務改善
四半期ごとに詳細にチェックリストを用いてコスト分析を行い、事業活動収入や人件費、水光熱費など5項目について業務改善を行っている。また、ICTを活用し、登園確認や保育日誌への記録など業務の大幅な軽減を図るとともに、画像を交えた情報を発信し、保護者はアプリにより時間や場所を問わず子どもの様子を知ることができる。その結果、日々の保護者との円滑なコミュ二ケーションにつながり、連携に資している。
◇今後期待される点
○ 子どもを護る保育
トイレ設備や水遊びでの着替えなどプライバシー保護を工夫している。年齢に応じたプライバシー保護について、プライベートゾーンなどを教える事を通じて、身体が大切なものであると知ると同時に、性的な危険から子どもを護る観点から、具体的な対応が期待される。また、早期に予兆を発見し児童虐待を予防するために、視診を徹底すると共に、迅速に関係機関との連携により、育児困難な保護者を支援することが期待される。
○ 安心・安全への取組み
ヒヤリハットや事故について、毎月発生した種類毎に3歳未満と3歳以上に分けて集計している。さらに、年齢別の発生場所、時間帯や天候、季節など、再発防止を目的にデータを収集し、職員参画のもとで分析し、PDCAに則り具体的な再発防止策を工夫することが期待される。
○ 子ども一人ひとりの記録
連絡帳やICTのアプリなどを活用して、日々の保育の様子を保護者に伝えている。しかし、公的記録に関し、体調不良など配慮を要する子どもについては保育日誌に記載されているが、特に変わりのない子どもについては、月1回の園児記録への記載だけの場合がある。子ども一人ひとりについて、保育者の関わりと子どもの様子についての記録の充実が期待される。