〇横浜市直営の児童養護施設として困難事例の受け入れに努めている
「横浜市中期計画2022-2025」に、「すべての子どもたちの未来を創る街づくり」を戦略に掲げ、児童養護施設運営の政策を明示している。当該施設は横浜市直営の児童養護施設であり、「困難な状況にある子ども・家庭への支援」「児童虐待・DVの防止と社会的養護の充実」を施設運営の政策としている。横浜市こども青少年局運営方針に政策ごとの達成目標を掲げている。達成目標の実現に向けて三春学園児童援助計画を策定し、児童の人権を守り権利侵害を防止する取組み及び小規模ユニットケアユニットの安定運営を図ること等を重点課題に掲げている。職員は、被虐待等で支援が困難な児童の増加傾向の中で、困難事例の受け入れに努め、児童一人ひとりが心身ともに健康で安心して生活できるように、環境整備に努めている。〇職員は、思春期特有の敏感さをもつ高年齢の児童への支援に努めている
子どもたちは現在7つのブロックに分かれて生活している。中学生以上は全員個室である。子ども一人ひとりに担当職員が付き子どもの情動に応えるようにしている。ブロックごとに宿直職員を配置し、昼夜を問わず子どもが安心できるようにしている。児童は高校生が全体の60%近くを占めている。職員はブロックごとに利用者のそれぞれの特性に配慮し、「支援の統一性を図ること」「無理をしないこと」「ともに生活する存在としての職員であること」の3点を特に心がけている。ブロック会議で児童の日々の生活の状況について共有し、異なる対応で児童が混乱しないようにしている。職員は個々の児童との信頼関係の構築に努め、社会人として必要な生活技術を身に着けることに視点を置いて支援している。
〇職員は、児童の力を信じて見守る姿勢を大切にしている
自治会を設置し、児童自らが自分たちの要望や課題について話し合っている。「児童自治部会会則」を作成し、施設の児童全員が参加し2名の代表役員を選任している。毎月自治会を開催し、子どもたちが中心となりより良い学園生活について話し合っている。意見箱を設置し毎月意見箱をチェックしみんなの意見を確認し、子どもの関心の高いスマホ利用のルールや行事の企画を話し合っている。レクリエーションやお楽しみ会、卒園を祝う会、自転車置き場の場所の抽選会等が自治会の検討課題になっている。職員は、前もって準備するのではなく、児童が自ら行動し経験して行くことを大切にしている。
〇職員は、グループワークで情報共有を図り児童養育の質の向上を目指している
今年度より「三春学園検討会」を開催している。検討会は児童養護施設の将来像に視点を置いて、児童の養育の質の向上を目指すことを目的にしている。検討会はブロックチーフを含む参加を希望する職員をメンバーとし毎月開催している。令和5年度は、児童の男女混合ブロック編成、ルールのあり方と見直し、養育の方向性、職員研修、児童相談所との連携等のテーマを設定し、グループワークによる職員間の情報の共有を図っている。児童との距離感や見守り支援、スマートフォンやWiFi利用等に関するルールの意味等について考え、児童を取り巻く社会状況の変化の中で何故このルールは必要なのかを検討する機会にしている。